地盤   地盤から建築を考える

 第九章 擁壁CL型擁壁  No.21

     今回も、擁壁について考えていきます。

      前回、前々回と話していますが、擁壁の目的は土留であり、擁壁施工時にはどのような建物が建つのか想定できないため、
      本来なら建物荷重は掛からないようにする必要があります。但し、L型擁壁は底版を造る分、建物荷重の影響範囲に底版が
      あるのが殆どで、注意が必要です。

      その為、L型擁壁の宅地の場合に確認しておく必要がある点は、

      @地盤調査を行い、擁壁底版の接地深度が硬質層であることの確認を行う必要があります。
      A擁壁底版の接地深度が軟弱な場合擁壁下改良工事等が行われているかの確認を行う必要があります。
      B擁壁下が硬質層でなく、擁壁下に改良等が行われているかどうか不明の場合は、大変危険な状況ですので、
        A−1、建物配置を擁壁底版から大きく遠ざける。
        A−2、杭工事又は柱状改良工事を行い、擁壁底版に建物荷重を掛けないようにする。
                                                 という順番に確認する必要があります。

     
擁壁下が硬質層(目安:擁壁下が100kN/u以上)
擁壁下に改良工事(目安:している)
擁壁から建物配置が遠い(目安:擁壁高の1.5倍)
3つの内1つでも当てはまれば
擁壁の沈下はないと思われます。
1つも当てはまらない場合
杭工事・柱状改良工事を行う必要があります。


       
 L型擁壁の宅地の注意事項は、

        @地表に出ている擁壁高さが2m以上かどうか
        A擁壁下が岩盤もしくは、改良工事・杭工事を行われているか
        B埋め土の転圧が充分に行われているか
        C水抜きが機能しているか
        D雨水が擁壁裏に浸透しないようにしているか
        E建物配置(基礎根切深度)が安息角が守っているか
        F建物荷重が影響しても、擁壁が沈まないか

        この項目に2つ以上当てはまらないものがある場合、注意が必要です。。

                                            

                        
             シールドエージェンシー株式会社 ボス・ネット ビルダー・サクセス・ストーリー2005/11/15 25号抜粋


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