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【第5章】沈下事例

No.3 お施主様の要望に安易に答えたことによる沈下について


今回も、実際に発生した不同沈下についてお話いたします。

事例3:お施主様の要望に安易に答えたことによる沈下

当地は地盤調査の結果30kN/㎡以上の地耐力のある現場で、通常の木造2階建ての施工なら、ベタ基礎の施工で不同沈下が防げるはずでしたが、お施主様の要望に答えた為、建物の荷重を掛けすぎて不同沈下を発生させてしまいました。

























地盤調査の結果、地耐力は充分に確認されていて、通常の建物の状況でベタ基礎の施工を行えば、沈下は防げる状況でしたが、お施主様より、『ベタ基礎は下がコンクリートで土が見えないのが嫌なので、ベタ基礎の上に土を一杯入れて欲しい。』との要望を受け、その工務店は基礎高を1m増やし、土を1m程度ベタ基礎の上に盛土を行いました。その為、建物荷重が大きくなり、大きな不同沈下が発生しました。


工務店の皆さんは、このようなことはされないと思いますが、もし、お施主様から要望を受けた時、地盤のことを考えていますか?特にピアノ・本棚等の荷重の掛かるものを置く計画をお施主様から聞いた時、梁や床は強度を上げますが、その時、その荷重が地盤にまで影響することを考えてください。