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【第1章】不同沈下

No.1 不同沈下について

以前、新聞やテレビで欠陥住宅が騒がれましたが、皆さんのまわりに欠陥住宅を作ろうとする工務店さんがいらっしゃいますか?
      
殆どの工務店さんは誠実に施工をし、お施主様に喜んでもらっているのが現実です。欠陥住宅でマスコミが取り上げているものの中、一番多い部分は不同沈下です。建築のプロの仕事である施工部分に大きな欠陥が生まれることはありません。地盤は工務店様にとっては、手を加えない(施工していない)箇所ですので、ウィークポイントと言って過言ではありません。

最近では、品確法の地盤調査の義務化により、全国の工務店様が地盤調査を行うようになりました。しかし、地盤調査で分かるのは、調査した箇所の地耐力だけです。まして、地盤調査を行ったから、地盤が良くなるわけではありません。

ある住宅メーカーでは、地盤調査を行うことによる、不同沈下件数は減少しませんでした。その理由のひとつは、地盤調査を行い地耐力は分かったが、不同沈下が発生するか否かは分からなかったからです。地盤調査の結果、地耐力はあるが、不同沈下が発生した現場も多数あります。逆に、地盤調査の結果、軟弱地盤地域であることが判明したが、昔の建物は地盤改良工事等を行わず、ベタ基礎で施工を行ってあるのに、不同沈下は発生していない状況も多数あります。このような状況の中、品確法の為に不同沈下の責任は全て、基礎工事を行った工務店様の責任となりました。

現在、不同沈下は身近で、責任のはっきりした、大衆に分かりやすい題材として、マスコミは書き立てます。今、工務店様は不同沈下を起こさない為、また、不同沈下が起こった時、どうすればいいのか真剣に考えなければいけない時期だと思います。