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【第5章】沈下事例

No.1 大型造成現場による沈下について


今回から、新章の実際に発生した不同沈下についてお話いたします。

事例1:大型造成現場による沈下

当地は造成以前は小さな山と池でしたが、山を削り、池を埋め、約120区画の大型造成を行った現場ですが、約1年で以下のような沈下が発生しました。























池の中央に当る箇所は沈下量が多い状況でしたが、建物に影響が出る傾きは発生しませんでした。但し、その周りはその沈下に連動して擂鉢状に不同沈下が発生しました。特に旧池の端側は擁壁から沈下しており、建物が大きく傾きました。また、地盤データから地耐力が一番確認できたのは旧地形が山であった建物でした。

この現場は池の埋め戻しも影響していますが、この他にも大型造成地は擂鉢状の沈下が時々見られます。このような状況から、地耐力が良くても、大型の造成地の場合は地盤の流動が大きく傾き、且つ、地盤が落ち着くには時間も必要となります。大型造成工事を行った現場は、①旧地形 ②周辺の状況 ③造成経過年数等将来的な土の圧縮まで考慮する必要があります。