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【第2章】地盤調査

No.2 周辺の状況について


今回は、不同沈下を防ぐ第一歩の地盤調査についての続きです。

地盤調査データを見ていく上で重要な部分として、周辺の状況があります。周辺の状況を見ることによって、この地盤は過去にどのようになっていたかを予測する必要があるからです。

例えば、北側の4m道路(陥没あり)があり、西側には築10年前後の建物の宅地(高低差は無し)境界はCB塀、東側と南側は水田で、調査地との高低差が1.0m、擁壁で囲まれており、その擁壁はRC造、新しくも古くもない程度。調査データは全ての測点でGL-1.3m付近で、薄い礫層が確認されました。

この情報だけでも、元水田の一番端に盛土を行って10年前後経過した、安定した土地と推察が出来ます。あとは、データとの整合性により、特異な箇所がないか確認を行うだけです。

このように、周辺の建物や田畑も道路も地盤を教えてもらえる貴重な情報になります。

他にも地盤を知るうえで貴重な周辺情報として、
       ①近隣の方からのアナウンス
       ②現地から見える山波
       ③近くの電柱の傾き
       ④河川のうねりや流れの緩急・水量
       ⑤学校や線路が近くにある(あまった土地の活用がある)
       ⑥地名
                                     などがあります。

<注意が必要な地名例>
阿部、芦原、宇田、江田、勝田、勝俣、蒲田、久保、古田、五味、権田、戸田、戸部、土呂、頓田、仁田、糠田、沼田、野田、野間、富家、法田、牟田、矢野、八田、谷地、谷津、谷原、淀、沖、小森、新在野、新保、新屋敷、田代、地先、何軒家、別所、別府、砂子、鹿田、洲、津江、灘、など。
 
※「○○台」 「○○ヶ丘」といった新興住宅地の場合は、旧地名に注目してください。

このように、ありとあらゆる情報が地盤の情報であり、地盤の過去を知り、データにより現在を知り、建築後、5年先、10年先50年先、建物が不同沈下しないように地盤調査を行っていく必要があります。